活況の「門前薬局」がジェネリックに走る理由 日本調剤は2016年度の逆風をこう乗り越える
この勢いはどこまで続くのか――。調剤薬局2位・日本調剤の2015年度は、既存店の好調や後発医薬品(ジェネリック)製造の伸びにより、営業増益幅が拡大しそうだ。
第2四半期(4~9月期)の売上高は1002億円(前年同期比14.7%増)、営業利益42億円(同60.7%増)。昨年秋から発売されたC型肝炎治療薬の処方が急増したことが、既存店売上高の伸長に大きく寄与している。1~2度の使用でかなり高い確率で完治が見込めるため、単価は高いが処方が拡大している。
日本調剤の店舗網は、大病院のそばにある「門前薬局」タイプが多く、2016年10月時点で全522店のうち、7割強(376店)を占める。このため、高度医療を受けるC型肝炎患者がより多く集まった面もあるという。
また、これは調剤薬局業界全般にいえることだが、昨年に比べると温度差が激しいせいか、病院を訪れる患者が増えており、調剤枚数・単価とも上昇しているのも追い風だ。
上期の出店は19で自力出店が17。M&Aは規模と将来性を考慮して厳選しているため、上期は2店のみだった。一方、閉店は8店。通期では店舗純増50程度と、前期の純増数29を上回る見込みだ。
ジェネリック製造や薬剤師派遣も順調
調剤薬局以外の事業部門も好調だ。ジェネリック医薬品を製造する医薬品製造販売事業は、ジェネリック医薬品のシェアを8割まで引き上げるという国の方針を追い風に、取り扱いを増やしており、事業利益は前年同期比44.7%増となった。
薬剤師派遣・紹介事業も、ドラッグストアの調剤薬局併設や薬学部6年制化に伴う人材不足を背景に、高成長を続けている。ジェネリックと薬剤師派遣という2事業の営業利益シェアは32%となり、2年前(17%)の倍近くに達している。
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