2015年の大相撲界、心に響いた「10の言葉」 舞台裏で発せられた力士や親方たちの肉声

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その性格とは無関係に、実力はすごい。秋場所は11勝、九州場所は13勝で十両優勝。一気に新入幕を決めてしまった。これだけ強かったら、彼女はすぐにできるでしょう。

六、「青春って、そういうことだね」(白鵬)

秋場所から宮城野部屋が移転した。耐震構造上、建物がこれ以上の稽古に耐えられなくなったためだ。白鵬にとっては、15歳で来日してから人生の約半分を過ごした場所。秋場所前、綱打ちの日に思い出を語った。

色気のある言葉、覚悟を示す言葉

「恋人と別れる。青春ってそういうことだね。土俵がいちばんですからね。別れをする時が来たなと。でも、土は向こうに持っていく。そのものが移動できれば、寂しさも多少、薄くなるだろうし。テッポウ柱を見て、思い出せばいいのかな」

白鵬は時々、色気のある言葉を言う。部屋の移転を前に、ノスタルジックな気持ちになったのかもしれない。

初めて宮城野部屋を訪れた人の多くは、稽古場が思ったより狭いことに驚く。そんな環境でも大横綱になった。白鵬は、初めてこの部屋に来た日をはっきり覚えていた。15年間の苦労を思うと、少し泣けた。

七、「ただ土俵で勝つだけじゃない」(若の里)

若の里が秋場所前に引退を発表。会見の席で「若い力士にいちばん伝えたいことは?」と聞かれ、こう答えた。

「ただ土俵の上で勝つだけじゃなく、稽古場も、私生活も、本場所はもちろんですけども、まじめに取り組む力士、そういう人が1人でも多く出てきてくれたらと思います」

通算勝利数は歴代7位の914勝。一点の曇りもない、正々堂々の戦いを続けてきた。勝っても負けても、土俵上では表情を変えない。稽古場では黙々と体を動かした。体現してきたからこそ、言葉に重みがある。

八、「定年まで結びを裁くのは今日からの3回だけ」(式守勘太夫)

九州場所7日目、第40代式守伊之助が軍配を差し違えた。最近2場所で3度目の差し違えとなり、8日目から3日間の出場停止処分を科された。立行司への処分は15年ぶりだった。8日目、代わりに結びの一番を裁くことになった三役格行司、式守勘太夫は言った。

「集中して、つつがなくこなしたい。水が流れるがごとくです。定年まで結びを裁くのは今日からの3回だけと思っています」

潔く、覚悟を示す言葉だった。

現在、行司の最高位にあたる木村庄之助は不在。そのため、もう1人の立行司である伊之助が結びを裁いている。その伊之助が思わぬ形で休場となり、勘太夫に大役が回ってきたのだ。

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