【キーマンズ・インタビュー】メンタリング制度を大幅改訂した狙いと成果--三尾和幸・NTTコムウェアHCMセンタ担当課長に聞く

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

 

この役割分担は絵で描かれたものがトレーニーと職場の全員に渡される。トレーニー(子)とメンター(母)が中心になり、その上にコーディネーター(父)、その上に課長(祖父)、左右に姉妹と兄弟、そして欄外には他部署の先輩社員(従兄弟)が描き入れられている。他部署の先輩社員はエルダーと呼ばれ、同じ部署内では相談しにくいことがある時に、客観的なアドバイスをトレーニーに与える役割を担う。

たった一枚の絵だが、効果は絶大。トレーニーを安心させ、職場全体で面倒をみるという育成意識を高める効果がある。

--メンタリング制度を導入した企業に共通する悩みは、指導力のばらつきです。どのようにして解決されましたか?

3つの施策がある。ひとつは毎年6月に開くメンタリング研修だ。2010年度からメンターだけでなく、コーディネーター、課長も参加させることにした。メンターだけだと指導方針にブレが生じ、トレーニーを混乱させる可能性がある。課長とコーディネーターが参加することで、職場全体の育成ベクトルを合わせている。

2番目はメンター同士の協力体制の構築だ。職場メンター3~6 名をグループ化し、基本的な取り組み意識の統一を図っている。互いの活動を報告し合えるようにメーリングリストなどの体制を整備して、グループ単位で毎月活動報告の提出や年間の振り返りを行なっている。トレーニーも交えての勉強会や懇親会、サークル活動をするグループもあるし、飲み会も開かれている。

3つ目は先輩メンターから後輩メンターへの伝承だ。トレーニーの研修期間は2 年間なので、1 年経験済みのメンターと、これから取り組むメンターが存在する。そのメンター間で、メンタリングのノウハウや事例を共有、伝承している。

個々のメンタリングの経験を個人のノウハウで終わらせないため、活動レポートをテキストとして引き継ぐなど、2 年目のメンターが1 年目のメンターを育てる体制づくりを進めている。

 

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事