【キーマンズ・インタビュー】メンタリング制度を大幅改訂した狙いと成果--三尾和幸・NTTコムウェアHCMセンタ担当課長に聞く

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--その他に独自の制度はありますか?

名刺大のMy CREDOカードをメンターとトレーニーに配布し、「3つの行動宣言」を書き入れ、実践するように指導している。行動はメンターとトレーニーが決めるもので、何でもいい。ただし「職場のみんなと仲良くする」のような曖昧なものはだめだ。

「毎日声がけする」などの具体的な行動を書き入れる。声がけのような行動は数カ月で習慣化するから、できるようになったら別の行動を書き入れる。飲み会への参加でもいいし、読書目標でもいい。

--新メンタリング制度の成果についてお聞かせください。

2011 年度は、新たに加わった152 名の1 年目のメンターと209 名の2 年目のメンターによってメンタリング活動を行った。トレーニーが導入研修中で職場へ戻る直前の6 月にメンタリング研修を実施し、各メンターグループ単位で月1 回の活動報告を定期的に行った。今年の3 月には1年間の活動をノウハウとして冊子にまとめまた。

その成果だが、トレーニーとメンターを対象に行った2011 年度のアンケートでは、トレーニーはメンターとの関係性を「非常に良かった」54%、「良かった」39%と回答し、合計で満足度が93%に達した。旧制度の2008 年度と比べると20%近く高い。

また80%を超えるメンターは「十分成長できた」「成長できた」と回答し、「2 年の任期を与えられ、責任ある立場で育成に携わることができ、自分にとってありがたいことだと感じた」「新入社員に対しては、伸びた人だけを受け入れるのでなく、自ら成長していく人間になれるように力添えをすることが大事だと気付いた」などの声が聞かれた。トレーニーだけでなく、メンターも教えることによって成長するのだ。

三尾和幸
総務人事部 HCMセンタ 担当課長。入社以来、電話機の販売からWEBマーケティングと営業分野を中心に勤務してきたが、2008年度より、現職にて人財育成を担当する。階層別研修と選抜式ビジネスリーダー研修、クラウド系人材の育成を担当するほかキャリアアップ支援室を兼務。

(聞き手:HR総合調査研究所(HRプロ)ライター:佃光博=東洋経済HRオンライン)

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