大転換する人材マネジメント 迫られる人事部の意識変革 伊東朋子著

大転換する人材マネジメント 迫られる人事部の意識変革 伊東朋子著

本書の内容はタイトルに言い尽くされている。人材マネジメントが大転換し、人材マネジメントを所轄する人事部の意識変革が必要になる、という趣旨だ。

もう少し正確に言えば、人材マネジメントの転換と人事部の意識変革が必要だが、日本企業の多くが人材マネジメントを転換しておらず、人事部の意識も旧態依然のまま。著者は、そんな実態に警鐘を鳴らしている。

著者の伊東朋子氏は理系出身の人事コンサルタント。明確に言葉を選び、きびきびと叙述するので趣旨はわかりやすい。

冒頭のPrologueで伊東氏の問題意識は、はっきりと述べられている。「環境変化のスピードに対応しきれない日本企業」、「戦略的に組織の人材を活用していくという視点が不足している人事」、「管理的・保守的な考え方をする傾向が強い大手企業の人事」、「戦略と革新性が不足している人事施策」、「日本は特別、自社は特別、人事は特別」と手厳しい。

著者の指摘は厳しいが、正しいと思う。そして人事担当者の多くも「このままではいけない」という問題意識を持っている。しかし変革に踏み出す人事はまだ少ない。問題意識の段階で、日本の人事は停滞している。

なぜ停滞しているのか? これまでの人事システムは、高度成長期から続いてきた。このシステムは新しい時代の人事へと変革を迫られているが、その背景や方向が整理されておらず、人事自身に迷いがあるので、根本的な変革ができないのではないだろうか。

 

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