ファッション誌トップシェア、宝島社の女性誌マーケティングの秘密(中)--実演販売、アウトレットまで多様な書店応援策

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ブランドムックは、主に1000円台の価格設定を行い、現在までにシリーズ累計3600万部を発行している。英国ブランド『キャス・キッドソン』や、米ロサンゼルス発セレブ御用達セレクトショップ『キットソン』は120万部、フランスのコスメティックブランド『イヴ・サンローラン』は100万部を突破している。

ブランドの商品を、全国津々浦々に店舗を持つ出版流通を使って広めていくことで、新たなブランドファンの開拓にも貢献している。コラボレーション先のブランド企業からは、ブランドのPRになっているとも聞いている。

書店内書店で売り場作りを提案する“宝島社書店”

出版物の新しい形である『ブランドムック』は、発売された当初、店頭にバッグなどを展示している書店で特に売れ行きがよかった。そうした経験を基に生まれたのが、10年に始めた「宝島社書店」だ。これは、書店の一角を使って“書店内書店”を設置、魅力的な売り場展開を提案・プロデュースするというものだ。日本初の「書店内書店」として、新聞各紙でも取り上げられた。


■ブランドムックを効果的にアピールする宝島社書店

ブランドのバッグを飾るためのハンガーラックや姿見(ミラー)の設置、気分が高揚する香りやBGMなど、五感を刺激する演出により、書店店頭を“わくわくするお買い物の場”として提案することで、今まであまり書店に足を運ばない層など、新しいお客様の開拓を目指した。宝島社書店の設置店では、実際に売り上げが従来の2~3倍に増え、書店員さんからは、「お客様とのコミュニケーションが活発になった」と好評を得ている。

当初は、書店の理解がなかなか得られず、実施できる書店を探すことにも苦労したが、理解のある書店と協力して販売実績を作っていくことで、最近では、チェーンとコラボして、特定の書店チェーン×宝島社書店などの実施も増えている。

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