地方の会社よりも東京の会社、日本企業よりも外資系のほうが高いといった傾向もある。また、業界ごとの相場があるので、同業他社で比較しよう。違う業界の企業の初任給を比較しても意味はない。
厚生労働省の2015年賃金構造基本統計調査によると、大卒の平均初任給は20万2000円で、修士課程修了者の場合は22万8500円となっている。初任給の絶対額が多いか、少ないかを判断するときには、これらの水準が目安となる。
ちなみに、平均年収で全業界トップの総合商社だが、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の大手5社の初任給は完全横並びで20万5000円。平均より3000円高いに過ぎない。
注意してほしいのは、初任給が高くても、その後、賃金があまり上がらない企業があるのということだ。入社後に給料がどの程度増加するかどうかを調べる指標が「昇給率」。30歳賃金が初任給に比べてどれだけ上昇したのかを示している。
海運大手の商船三井のように昇給率が200%を超す企業がある一方で、110%以下の企業もある。30歳となって責任のある仕事を任されていても、給料は新人とあまり変わらないという企業もあるのだ。
「有休消化年平均」で実休暇日数を把握
日本企業の場合、会社の制度として有給休暇があっても、有給休暇を全部使うのはの難しい。有給休暇を取る権利はあっても、忙しくて取れない、または職場の雰囲気で取れないということがある。
企業のHPや会社案内のパンフレットをチェックして有給休暇の日数が多くても、喜んではいられないのだ。そこで、就職四季報では、1年間に実際に消化した有給休暇の日数を掲載している。その日数が「有休消化年平均」だ。
日本企業の有給休暇日数の平均は20日で、消化率のメドは50%。1年間に10日程度有給休暇を取れていれば、平均的な企業といえる。
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