政権交代でも対仏投資の積極誘致は変わらない--アピア対仏投資庁長官に聞く

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--フランスの新聞ル・フィガロ電子版によれば、EU各国の直接投資受け入れでフランスがドイツに抜かれて3位に転落した、という内容のアーンストアンドヤングによる最近の報告もあります。特に、BRICsなど新興国からの投資受け入れがドイツを下回っている点を指摘。労働のコストの高さ、研究開発が不十分なこと、大企業と中小企業の関係が希薄であることなどが原因と説明しています。

コンサルタント会社などの発表する数字と、こちらが自治体などから情報を収集してまとめた数字には違いがある。2011年の直接投資は10年に次いで過去2番目の好成績だ。EU加盟国の中でもフランスを選んだのはそれなりに強い理由があったからだろう。電力は他の国に比べて安いといえるし、時間当たりの生産性も世界でトップレベル。公共サービスや教育システムの質は高く、医療システムも完備されている。企業が直接投資を考える場合には、こうしたさまざまな要素を総合的に勘案して決定するはずだ。特定のパラメーターだけを比較、考慮したうえで決めているわけではないだろう。

David Appia
1956年生まれ。1985年に国立行政学院(ENA)を卒業後、経済・財政・産業省に入省。在エジプト・フランス大使館、経済・財政・産業省の対外経済関係局(DREE)貿易政策室長、在イタリア・フランス大使館勤務などを経て、2006年に在米フランス大使館経済部、経済公使。2009年1月より現職。

(聞き手:松崎泰弘 撮影:吉野純治 =東洋経済オンライン)

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