最悪期を抜け出した会津若松の観光業 廃業続出の懸念をはね返し予想外の回復ぶり

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

 原発事故直後の昨年3月13日から4月20日にかけて、くつろぎ宿では福島県大熊町の住民を無料で受け入れた。当時、一般客のキャンセルが続出する中で、深田社長は避難者を受け入れる用意を地元の新聞を通じて表明。ピーク時の3月18日には、1356人もの避難者が二つの旅館で体を休めた。

原発事故の苦難を学びたいという機運

その後、4月3日からは行政の指定による2次避難施設として3カ月にわたり部屋のほとんどを提供した。「宿泊に際しては、そうした避難者受け入れの経験を子どもたちに聞かせてほしい」というのが高校側の希望だった。

深田社長によれば、「同様の趣旨の修学旅行の予約が9月以降、3件もある」という。

原発事故での苦難の経験を学びたいという機運が、教育現場で生まれ始めたのかもしれない。

(週刊東洋経済2012年7月21日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事