最悪期を抜け出した会津若松の観光業 廃業続出の懸念をはね返し予想外の回復ぶり
原発事故直後の昨年3月13日から4月20日にかけて、くつろぎ宿では福島県大熊町の住民を無料で受け入れた。当時、一般客のキャンセルが続出する中で、深田社長は避難者を受け入れる用意を地元の新聞を通じて表明。ピーク時の3月18日には、1356人もの避難者が二つの旅館で体を休めた。
原発事故の苦難を学びたいという機運
その後、4月3日からは行政の指定による2次避難施設として3カ月にわたり部屋のほとんどを提供した。「宿泊に際しては、そうした避難者受け入れの経験を子どもたちに聞かせてほしい」というのが高校側の希望だった。
深田社長によれば、「同様の趣旨の修学旅行の予約が9月以降、3件もある」という。
原発事故での苦難の経験を学びたいという機運が、教育現場で生まれ始めたのかもしれない。
(週刊東洋経済2012年7月21日号)
記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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