最悪期を抜け出した会津若松の観光業 廃業続出の懸念をはね返し予想外の回復ぶり
教育旅行の回復は途上
もちろん厳しさが続いていることは確かだ。とりわけ落ち込みが大きいのが、「教育旅行」(修学旅行や林間学校)だ。震災・原発事故以前の2010年度(10年4~12月の9カ月間)には教育旅行で会津若松市を訪れた学校は1081校に上っていたが、11年度(9カ月)には564校に半減。中でも県外の学校は841校から100校に激減した。会津若松観光物産協会の渋谷民男統括本部長によれば、12年度も200校前後にとどまる見通しだ。
協会では千葉県や新潟県、宮城県など震災前に多くの実績があった県の学校を手分けして訪問。事情説明に努めてきたものの、「福島県に子どもを旅行させることへの保護者の懸念が払拭できていない」(渋谷氏)という。
県外の減少の穴を埋めているのは県内からの教育旅行だ。福島県が費用の一部を補助する制度を設けたことで、県内からの来訪は10年度の240校から11年度には464校へと倍増。鶴ヶ城や白虎隊の悲劇で知られる飯森山の参道入り口では郡山市や須賀川市など県内からの児童の姿が目立つようになった。
実は、厳しい状況が続く県外からの教育旅行にも少し変化が見られる。「生徒130名の宿泊の予約をしたい」。くつろぎ宿の深田社長のもとに最近、宮城県の高校からこんな要請があった。
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