なぜ「具体的に」理由を示す必要があるかというと、第1審においては、直接主義・口頭主義の原則が採られており、争点に関する証人を、裁判官が実際に目の前で見ており、その時の証言での態度なども踏まえて、供述の信用性が判断されているためだ。書面だけで審理する2審とは異なるのである。
さらに、最高裁は「このことは、裁判員制度の導入を契機として、第1審において直接主義・口頭主義が徹底された状況においては、より強く妥当する」と述べている。裁判員裁判では、職業裁判官に加えて、一般市民も判断に加わっている。最高裁は、裁判の進め方やその内容に国民の視点、感覚を反映させていく、裁判員制度の意義について強調し、裁判員裁判での判断を事実誤認として否定するのであれば、詳細な理由づけを「具体的に」することを求めているのだ。しかし、今回の高裁がそうした説明をしているのかは疑問だと新庄弁護士は言う。
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