22ものSNSを使いこなしO2Oを展開するローソン、成功の秘訣(後編)《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》
12年7月17日から2週間は、人気アニメ「けいおん!」とタイアップしたキャンペーンを実施。店内で、「けいおん!」の主人公がAR機能で話しかけてくれる。
店頭での顧客満足度を上げる施策は、今後も力を入れていくという。
現在、Ponta会員は約4600万人で、ローソンの売り上げに占めるPonta会員の比率は全国で約4割にも上る。従来のPOSデータよりも、顧客属性ごとの細かい購買情報がわかるのは大きなメリットだ。ローソンのCRM(顧客関係管理)戦略の基盤となるデータともなる。
商品企画にも、ソーシャルメディアとPontaのデータの両方を分析して取り組む。ソーシャルメディア上の顧客の声に基づいて仮説を立て、Pontaのデータで検証するという流れが多い。
たとえば、ローソンで人気の「ウチカフェ」シリーズ。
商品開発担当者はソーシャルメディアのヘビーユーザーだ。ロールケーキの外側と中側は何がいいか? という意見を顧客から募り、いちばん声が多かったものを商品化したこともある。ロールケーキのパッケージもソーシャルメディア上で募集して実際に発売。ウチカフェキャンペーンは基本的にソーシャル要素を絡めた形で行っているという。
つねに各12部署に向け、ソーシャルメディア上のローソン商品に関する顧客の声をリポートにまとめ報告している。
「各部署も参考にせざるをえない。また、つねに各商品開発担当者の生活にもソーシャルメディアを取り入れてもらうよう努力をしている。否定から入ると今後は時流に乗っていけない。基本は推奨で、『やってください』という方針」(白井氏)。
ローソンでは、今後もスマートフォンを意識したサービスに力を入れていく。スマートフォンの普及でコミュニケーションの形が変わってきている。時流に乗らずに、いつまでもメルマガだけを打ち続けているわけにはいかないのだ。
O2O施策を行ううえで、ローソンが大切にしていることは何か。