──仕事のバランスはどうされるのですか?
篠田:そこも含めて自己管理です。上手に断るとか上手に優先順位をつけることも含めて自己管理。
お互いに拍手をしあう会社
永田:コンテンツでいうと、企画会議がないのです。「これをやりたいです」って手を挙げるキレイな形もそんなになくて。なにか面白いものがあるって種を誰かが持ってきて、その周りにやりたいことがくっついていく感じが多い。「企画をいくつ出しなさい」と言うこともないし、ルールもないので、なんとなくその種の周りに誰がくっつくかが、その種の強さだったり、その種を見つけた人の強さだったり、その人の信頼感だったりっていう感じですね。
松本:読み物のチームを見ていて思うのは、作ったコンテンツが実際に「ほぼ日」に出るじゃないですか。なので、お互いがお互いの仕事に興味を持ちながら、「自分も恥ずかしい原稿を出さないようにしよう」と刺激を受けていて、はたから見ていて美しい切磋琢磨をしています。その姿がうちの会社の目指すものかなって。
そして、他人の仕事にも興味を持って、社員同士の仲がいいというのはすごいなと思っています。かなり昔のことですが、私が永田にポロッと、「あの人はこの商品はすごく一生懸命にやってくれるけど、私が担当した商品は一生懸命やってくれない」みたいなことを言ったら、永田が、「一般的な会社って、みんなライバルで、隣の部署でさえ、潰し合いをしたりしている。でもこの会社は、お互い拍手をしあうようなことでやっているから、絶対そう思わないほうがいいよ」と言われて。私もすごく反省をして、肝に銘じて大切にしています。
篠田:「拍手をしたくてしょうがない会社なんだ」と思っています。いい仕事があったら、同僚のでも他社さんのでも褒めたい、と待っている感じですね。
「ショートケーキのイチゴ」を載せよ
──インタビューをさせていただく中で気になったのですが、糸井さんはどれくらいの割合でコンテンツや人事にかかわっていらっしゃるのでしょうか?
永田:コンテンツでは、このタイミングで必ず糸井のチェックを受けるといったルールはありません。ただ、糸井はどこかで目を通します。読んだものを批評する場はありませんが、原稿の段階で面白いと言うこともあるし、なにも言わないこともあるし、掲載後に「これじゃ伝わらない」と言ってくることもあります。つねに見ているけれど、ルールはとくにありません。作っている側もどこかで見られているのは感じているし、迷うようなときはあらかじめ糸井に相談することも多いです。
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