「ほぼ日」を支える糸井重里流「働き方」哲学 突撃!「糸井事務所」のワーク・ルールズ:後編

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松本:本当に自分がやりたいこととか、本当に面白いなと思っていることをやったほうが、コンテンツなり商品もいいものができる確信があるので、そういう組織にしています。

本当の評価はお客様が決める

:人事評価も、自己評価を中核に据えているのです。人事評価のときに見るポイントとして、自分の評価を自分でするのですが、本当の評価はお客様が決める。お客様の評価を自分の評価と重ねて、評価してもらっています。

篠田:さっきのリーダーの権限のところをちょっとだけ補足すると、一般的な組織は、つねに上長のほうが部下よりも全部わかっているという前提に立って組織を作るんですね。うちは前提が違って、動機とか、アイディアとか、人を喜ばせようという意欲においては基本みんなフラット。ただ、どんなコンテンツにせよ、アウトプットの品質を作るための技術という意味では当然フラットではなく、技量の差があります。

社内の実態として、自然にみんなが技量が高い人を頼って、その人に相談したり、その人のジャッジを仰ぐようになります。その人がOKって言ったら、これは「ほぼ日」のものとして出してよいというハンコを押してもらった気持ちになる。結果、周りから見て自然にあの人にみんな相談いくよね、という人が事実上リーダーであって、後付けで組織図にリーダーとして書きましょうという流れです。

自己評価の話は、自分が100点ですと言えば、100点分の給料がもらえるように聞こえますが、そうではありません。自己評価を書いて、それを人事評価で見て、お客様から見るこの人の仕事ぶりと、ご自身の自己評価が合っていれば、それはOK。未熟な方はズレがちなので、「ズレていますよ」とお伝えします。

──どんなふうにチームが組まれていくのですか?

:パターンとしていろんなものがあって、「こういうコンテンツを作りたいのですが、誰かデザイナーさんいませんかね」とデザインチームに誘いに行くという場合もあるし、商品ですと、「こういう商品を作りたいのだけど、○○ちゃん手伝ってくれない?」と声をかけたり。

篠田:組織的に全員平等に、とかそういうのではなく、純粋にマーケットです。だから、声がかかる方はすごくお呼びがかかります。

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