「ほぼ日」を支える糸井重里流「働き方」哲学 突撃!「糸井事務所」のワーク・ルールズ:後編

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松本:たとえば面白かったことについての話なら、なぜそれを自分が面白いと思ったかで1時間ずっと話すみたいな。でも、それが価値観の共有にもつながっています。

数字目標は設けない

今回の取材を受けてくださった皆さん。左から永田さん、松本さん、趙さん、篠田さん

――2012年にポーター賞を受賞されたときに、「チームリーダーに指示・命令・評価の権限を与えない」というのと、「チームや部門に販売目標や読者数の目標を設定しない」と糸井さんがお話されていましたが、その狙いを教えていただけますか。

松本:商品をこれだけ売り上げてほしいなどとは、会社から一切言われません。それはうちの会社が、「自分たちが本当にこれをいいと思っているか」「人が本当に喜ぶか」に基づいて、コンテンツなり商品を発信しているから。たとえば、今月の売り上げをこれだけ達成しないといけないとなったら、無理矢理でも生煮えのものを出してしまったり、アクセスを稼ぐためになんとかしてしまったりすると思います。

「そういうことを絶対にしたくないから、数字目標はいっさい立てない」と、初期に糸井に言われました。本当に世の中にないものなのか、本当に作りたいと思っているかを、企画を考えるときにも商品にするときにも問われますね。

チームリーダーの権限に関しては、個々の人たちが役割とか役職にかかわらず、いきいきと働く職場、仕事が面白くなる職場を作りたいという糸井の想いだと思います。先に枠組みを決めてそれに合わせて何をするか、人に何かを言われたからやる仕事は、パフォーマンスにも影響が出ます。

:私が人事になってすぐのときに、糸井に「動きが先で組織は後」と言われて、ハッとなったことがあります。

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