野村HDがインサイダー情報漏洩問題で処分発表。金融庁はさらに厳しい処分を求める可能性も

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また、6月29日の記者会見では、「調査委員会は3月末に設置し、調査していた」と渡部グループCEOが説明した。が、外部に調査委員会の存在を明らかにしたのは、3番目のインサイダー事案(もちろん、情報漏洩元は野村証券)に対して勧告があった6月8日になってからのこと。問題を引き起こした企業が自力で事実の解明に努力することは当然の責務であり、その努力の一環として調査委員会を設置したことを2カ月以上も公表しなかったことは理解しかねる。

さらに、改善策では「野村ホールディングスの子会社(注、ここでは野村証券)の管理態勢について」という項目の中で「社内調査を当局(注、証券監視委)調査の妨げとならないという確認の下、野村証券に対して強く指示することにより、より早期の対応が可能であったと思われる」と記されているが、この点も理解を超えている。つまり、自社による調査を行っておらず、それをするための確認もしていなかったということは、証券市場に立脚する証券会社の行動として考えにくいことだからだ。こうした内容を改善策として盛り込むこと自体、世の中の理解を得ようとする真剣さに欠ける、と見られても仕方がない。

くしくもこの日、新たな公募増資情報のインサイダー事案が証券監視委から勧告され、その情報漏洩元として、野村に次ぐ大手である大和証券の存在が浮かび上がった。きわめて深刻な事態が証券市場の外縁部で露呈している。

※写真:記者会見する野村ホールディングスの渡部賢一グループCEO(左)と永井浩二野村証券社長(右)

(浪川 攻 撮影:尾形文繁 =東洋経済オンライン)

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