渡邉美樹議員「ワタミには1000%戻らない」 赤字転落した古巣を想う創業者の胸中

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――”ブラック企業”批判についてはどう受け止めるか。

働くという文化が間違っていたわけではない。しっかり会社がコントロールできなかったから、2008年に入社2カ月の社員が命を絶ってしまった。僕の責任と思っている。もしも裁判が和解したら、真っ先に墓参りに行きたい。

――政治の世界に入って悔いはないか。経営者のようにワンマンでいられないが。

ワタミにとって、今起きていることは、いいことだ。もし僕がずっと社長をやっていたら、死んだ後に間違いなく会社は潰れている。現在、ワタミは血を流しながら、前に進もうとしているし、しっかりと見守っていきたい。

過去30年間で身につけた、経営者としてのノウハウ、知識、経験。これらは(既存の)政治家の方々にないものということを2年間で確信した。僕には僕の役割がある。その面からいえば、悔いはない。

高齢者や子供が安心できる社会を

「もともとは教育が僕のライフワーク」(渡邉議員)

――ワタミが再び危機に陥っても会社には戻らない?

会社=子供が死ぬとなったとき、それを横で見ている親はいない。自分の財産も何もかも全て投げ打って、救いにいくのは当然のこと。だが絶対、そのような状況にはしない。十分反省もしたし、先のことも見えてきている。ワタミに戻ることは1000%ない。そんな気があったら、議員にはなっていないよ(笑)。

――政治家として、これからの目標は。

まず一つは、高齢者が安心して暮らせるように、年金は絶対に守らなければならない。もう一つは、発展途上国でご飯が食べられず死んでいく子供、勉強したくてもできない子供たちを救いたい。

政治家として残り3年半の任期があるが、次も出るかどうかは決めていない。自分しか持っていない役割が使えるか、残りの任期中に見極めたい。政治の世界で使えないとなったら、もともと教育が僕のライフワークだから、そちらに力を入れていく。 

「週刊東洋経済」2015年11月28日号<11月24日発売>「核心リポート04」に加筆)

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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