読めば納得!モンゴル人横綱の「尖った」言動 「建前なし」「容赦なし」には理由があった

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帽子は入るときはそのままで、座ってから取りますが、必ず下に向けて置いてください。上に向けておいたら大変です。モンゴルでは上を向いたものは上を向いたまま、下を向いたものは下を向いたまま、と考えられています。下に向いたものを上に向けて置くと、そこにその家の中の善が入ってしまい、帽子の持ち主がそれを持ち帰ることになってしまいます。また逆に、持って入った悪いものを広げてしまうとも考えられています。

「強さ」の背景にある、モンゴル人であることへの誇り

お酒の飲み方にもマナーがあります。お酒を飲むときは薬指にお酒をつけてそれを上に向けて親指で3回弾きます。最初は天の神に、2回目は地の神に、3回目は地元にあるいちばん高い山に向けて、さまざまな神にお酒を捧げているのです。それをせずに自分が神よりも先に飲んでしまうと、周りにいる神が怒ってしまいます。感謝の気持ちを込めて行うのです。

地の神と言えば、モンゴル人は環境をとても大切にし、土を汚さないようにしています。屠殺するときは地面に皮を敷いて、土を血で一滴も汚さないようにするほどです。また、水もとても大切ですので、泉を通るときなどは拝んで水の神様を怒らせないようにし、水を汚すこともしません。

ーーこの遊牧民のマナーは、現代のビジネスマナーにも残っているのでしょうか?

これらのマナーは伝統的なマナーです。今はグローバル化の時代ですから、グローバルマナーでも大丈夫です。とは言え、モンゴルはまだ社会主義から変わって成長過程ですし、遊牧民のときからの他人よりも自分という意識が残っており、道徳などは関係なしに、自分が利益を得られればよいという考えもあります。もともと「強い」文化なので、市場は奪い合いと思っています。

――生活スタイルが近代化する中で、どのようにして「強さ」を保っているのですか?

モンゴル人であることに誇りを持っていることが挙げられます。しつけの中でもヒューマニティを植え付けていますし、遊牧民としてのマナーも、親族の中の誰かが遊牧民であることも多いので、地方に行ったときなどに接する機会は多いです。その際にマナーを厳しく言われたり、知恵を教えてもらったりします。首都だけに住むのは窮屈ですし、お客さんが来たときには首都だけがモンゴルではないことを見せるために、地方に連れて行ったりします。

実際、ビジネスマナーの点からはモンゴルはまだまだ発展途上です。成長すればビジネスマナーもよくなってくると思います。

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