目標より習慣が大事 普遍性の高い学びを--『21世紀のキャリア論』を書いた高橋俊介氏(慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授)に聞く

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──就活学生へのアドバイスはありますか。

世の中の間違ったメッセージに惑わされるなと言いたい。たとえば「就社ではなく就職」とよく言う。就職は職種名を限定することだと思っているかもしれないが、企業に入ってずっと同じ仕事というのはありえない。

重要なのは、若いうちに自分のキャリアになるような経験をさせてくれる組織か、人の育成力のある、たとえばキャリア自律風土があって社会化(組織コミュニケーション)作用がある組織かどうか。社会化作用があって温かい組織に見えても、キャリア自律風土がないと、イノベーションができない。皆が刷り込まれて同じパターンになっていくため、会社自体が変わらなければいけないときに誰も変えられないということが起こるからだ。

たかはし・しゅんすけ
1954年生まれ。東京大学工学部航空学科を卒業、日本国有鉄道に入社。米プリンストン大学工学部修士課程を修了し、マッキンゼー・アンド・カンパニー東京事務所に転じる。その後ワイアット(現タワーズワトソン)に入社し、後に社長。退任後、キャリア開発・人材育成の研究・指導に従事。

(聞き手:塚田紀史 撮影:今祥雄 =週刊東洋経済2012年6月23日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。


『21世紀のキャリア論』 東洋経済新報社 2625円 259ページ


  
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