さてはて、次にご紹介したい上司のきらりと光るセリフはこちらです。
「そのうち慣れるよ」
これはエレベーターで地域統括部長(エリアマネジャー)と一緒になったときのお話です。
エレベーターって無慈悲ですよね。どんなに下っ端でもどんなに偉い人でも、エレベーターに乗らなければオフィスにたどり着くことはできません。しかも、うっかり偉い人とエレベーターで2人っきりになってしまった日には、私なんて小心者ですから、
何か小粋なトークをかまさなければいけない……
そんな緊張感が走ります。
それもこれも「慣れる」と言い切れるすごさ
ちょうどこの日は、1回ぐらいしかお会いしたことのないエリアマネジャーとエレベーターに同乗してしまいまして、
やばい、どうしよう! 天気の話でもしとくか!?
とコミュニケーション能力の低いことを考えていたのですが、先にエリアマネジャーのほうが声をかけてくれました。
彼は「この会社、どのぐらい?」と聞いてきました。私が1年半ぐらいですと答えると「じゃあもう慣れただろう」と彼は笑いました。
ええ、でもまだ大変でと私が言うと、彼は
「それもそのうち慣れるよ」
と笑うと、ちょうどエレベーターが階に着いて、彼は降りていきました。
その後ろ姿を見て私は思いました。
エリアマネジャーは、今の地位にたどり着くまでに相当な努力をしてきたでしょう。もしかしたら数人殺してるかもしれません。これは私の金融の偉い人のイメージで、事実とは異なります、たぶん。
どんなつらいことも、どんな大変なことも、何度も何度も繰り返していけば練度も上がり、苦しくなくなっていきます。その結果、自分のキャパシティも増えていきます。
この偉い人もたくさん大変なことがあったかもしれませんが、その苦労も
そのうち慣れるよ
と言い切れるところで、
やはり百戦錬磨は違うな、と思ったものでした。
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