旭化成建材の不正は決算書にも滲み出ていた 不祥事は「赤字脱出が至上命題」の時に起こる

旭化成建材の杭打ち工事のデータ改ざん事件は、発覚後1カ月以上経った今でも、連日多くのメディアで報道されています。当初は、当該マンションの現場担当者による不適切な作業が原因である、と報じられていたものの、その後、同社が手がけた他の物件でも次々と偽装が見つかり、問題は全国に飛び火しています。
旭化成の連結決算書から分かったこととは?
事件が明らかになった後、すぐに旭化成の決算書を読んでみました。するとそこには、今回の不祥事の温床をなしたと思われる数字が、はっきりと示されていた のです。その時点で筆者は、今回の問題は、決して特殊な現場担当者の「暴走」などではなく、会社全体の問題であるのではないか、と見ていました。それはな ぜなのか、以下で詳しくご説明します。
旭化成建材の親会社、旭化成は、ケミカルやホームズなど、全部で8種類の事業を営んでいます。その中の1つに建材事業があるのですが、その中核を担っていたのが今回、問題が発覚した旭化成建材でした。
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