「じつはあの本の影響があるんです」どん底で研究をやめようとしていた山中伸弥に成功法則を気づかせた一冊

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
本
(写真:Table-K / PIXTA)
あらゆる細胞に変化できるiPS細胞が、ついに世界で初めて実用化される。2026年2月19日、厚生労働省の専門部会は、iPS細胞由来の2つの製品について、製造・販売を条件期限付きで了承した。京都大の山中伸弥教授らがiPS細胞の作製を発表してから、今年でちょうど20年。改めてその偉業にスポットライトがあてられそうだ。
だが、世紀の発見に至るまでには、道なき道を突き進んでいく苦しさがあった。実験がうまくいかずに「もう研究をやめよう」とまで落ち込んだとき、山中教授を支えた一冊の本とは。著述家の真山知幸氏の新著『本を読む人だけが、“自分の壁”を突破できる』から一部抜粋・再構成し、山中教授の意外な愛読書を紐解く。

“前人未到の地へ”本を携えて進んだ2人

決して諦めることなく、まだ誰も成し遂げていない偉業に挑んだ、偉人たち。その生き様には思わず勇気づけられるが、当の本人たちは不安でいっぱいだったことも、また事実である。

日本人で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹は、理論物理学という難解な分野に挑んだが、大学卒業時には、こんな不安に駆られたという。

「昭和4年3月、京都大学を卒業するちょっと前に、私の心はちょっと動揺した。これからさき理論物理学をやっても、物にならないのではないか──そんな悲観的な気持になった。いっそ坊さんになろうと思った」

湯川の偉業を思えば、このときに僧侶にならずに本当によかったが、湯川がノーベル物理学賞を受賞してから60年以上の月日が流れた2012年にノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥もまた、道なき道をゆく苦しみを味わっていた。

次ページ手先が不器用で手術が下手だった
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事