「じつはあの本の影響があるんです」どん底で研究をやめようとしていた山中伸弥に成功法則を気づかせた一冊
主人公は勤続35年のサラリーマンで「大胆かつ勇猛になって、夢に向かって生きなければ」と思いながらも、一歩を踏み出すことができない。
自己啓発書を買って、目標を決めて、起業のために資金を貯めようともしているが、行動に移せないのは自身の置かれた状況にあるとして、老人にこう打ち明けている。
「けれど、一か八かの賭けなんて冗談じゃないと思っている妻と、2人の子ども、住宅ローン、そのほかもろもろの義務を背負った者では、思いどおりにいくものではありません。つまるところ私は、退屈で、正当に評価されない、創造性に欠ける人生を歩んでいるんです」
主人公と同じような境遇のビジネスパーソンは少なくないだろう。彼が老人との対話を通じて、どのように成長していくのか。
ベストセラーだけあって確かにその後の展開が気になるが、研究者である山中は、本書からどんなメッセージを受け取ったのだろうか。インタビューで、次のように語っている。
「大事なことは『試す』ということで、世の中の成功者は誰よりも『試す』を繰り返してきた。どんどん新しいことに挑戦しなさい。だいたいうまくはいかない。でもともかく挑戦しないと何も始まらない。
10回やって9回が失敗でも、残りの1回で成功するかもしれない。コツコツ努力を続ければ、10回に9回の失敗が、8回に減るかもしれない。失敗しても努力を続けることが大切だ、結果を楽しめ、と」
山中の心に響いたメッセージ
『仕事は楽しいかね?』は14章構成になっており、老人が若者に語りかける内容が章タイトルとなっている。
「第5章 違うものがよりよいとは限らない。だが、よりよいものは必ず違っている」
「第7章 目標に関するきみの問題は、世の中は、きみの目標が達成されるまでじーっと待っていたりしないということだよ」
「第9章 あの実験で学ぶべきことはね、あらゆるものを変えて、さらにもう一度変えることなんだよ」
章タイトルだけでも示唆に富んでいるが、目を引くのが第3章だ。たった1ページしかないため、かえって目立ち、思わず手を止めてしまう。



















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