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「じつはあの本の影響があるんです」どん底で研究をやめようとしていた山中伸弥に成功法則を気づかせた一冊

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  • 真山 知幸 伝記作家、偉人研究家、芸術修士(MFA)
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5行程度で老人が主人公に紙を渡して立ち去る様子が描かれ、その後に、大きな文字でただこう書かれている。

「試してみることに失敗はない」

これこそが山中の心に響いたメッセージだった。

前述したように一時期は「もう研究をやめて、手術が下手でも整形外科医に戻ったほうがましなんじゃないか」と思い詰め、家族からも「研究から遠ざかったほうがよいのではないか」と心配されたが、諦めずにいると、2つの幸運が舞い込んできた。

一つは、アメリカでウィスコンシン大学のジェイムズ・トムソン教授がヒトES細胞の作製に成功したというもの。

ES細胞の研究に注目さえしてもらえれば、山中の重ねた実験も大きな意味を持つことになる。翌年の1999年には、奈良先端大に助教授として採用が決定。山中は37歳で初めて自分の研究室を持つことができた。

自分の方向性は間違ってはいなかった。このまま突き進むのみだ──。

そんな確信が得られたのだろう。それから山中は「ヒトの胚を使わずに、体細胞からES細胞と同じような細胞を作る」という目標に向けて、ひたすら研究を重ねていくことになった。

いろいろとやっていれば道は拓ける

『仕事は楽しいかね?』では「試すことに価値がある」というメッセージに説得力を持たせるために、偉人の逸話が数多く紹介されている。

いろんなことを試すには、まず思い込みを捨てる必要がある。言い換えれば、自分には「この道しかない」というこだわりだ。

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