「じつはあの本の影響があるんです」どん底で研究をやめようとしていた山中伸弥に成功法則を気づかせた一冊
老人は「もし、彼らが昔の夢に執着し、責任を引き受け、断念することを拒んでいたら……」として、次のように述べている。
- バスケットボール界の名コーチであるジョン・ウッデンは、土木技師になっていただろう。
- 『アプレンティス』『サバイバー』などの番組を手がけたTVプロデューサーのマーク・バーネットは、イギリス陸軍特殊空挺部隊(SAS)での経験にこだわり、中央アメリカで軍事顧問になっていただろう。
- 偉大な振付師のジョージ・バランシンは、きっと作曲家になっていただろう。
- 作家で詩人のマヤ・アンジェロウは、元々は専業主婦志望だった。
- 最高裁判事のソニア・ソトマイヨールは、探偵になるのが若い頃の夢だった。
さらに、長男として家業の作り酒屋を継ぐものと思われていた盛田昭夫がソニーを創業し、また、フィギュアスケート選手としてオリンピックに出ることを夢見ていたヴェラ・ウォンが世界的なデザイナーになったことなども例に挙げている。
これらの逸話は、手先の不器用さから整形外科をやめて基礎研究の道に進んだ山中を、大いに励ましたことだろう。
『仕事は楽しいかね?』では、画期的なイノベーションがいかに生まれたかについても解説している。
ある薬を作ろうと一生懸命混ぜていたらシロップができ、炭酸と混ぜて飲んだらおいしかったため「コカ・コーラ」として売り出されることになったこと。
また、丈夫なテントを販売するなかで探鉱者のためにそのテント生地から耐久性のあるズボンを作ることを思いついて、若者に熱烈に支持される「リーバイスのジーンズ」が誕生したこと。
iPS細胞もたぶんうまくいかないだろうけど…
これらの逸話から、山中は今ぶつかっている壁を突破するためのヒントが見つかったようだ。こんなふうに説明している。
「iPS細胞もたぶんうまくいかないだろうけど、できることはいろいろやってみようという感じでやっていたら本当にできた。そこにはじつはあの本の影響があるんです」
山中のiPS細胞の発見は、まさに「試してみることに失敗はない」という1冊の本からの学びが結実した成果だった。



















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