「原発は安い」の欺瞞を暴く経産省の内部試算 小泉純一郎氏が"脱原発"に転じたフィンランドでの光景とは?

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「各種電源に係る既存の国の経済的措置」というタイトルだった。原子力予算(立地対策交付金を含む)、税制優遇、財政投融資をあわせて2兆1879億円。これに対し、水力を含めた再エネは5685億円だった(2004年3月8日、制度・措置検討小委員会第1回会合資料7)。

再エネより高い…政府が原発につぎこんできた費用

元日本原子力学会長が「政府は兆円単位で原発につぎこんできた」と話していたことが裏付けられた。年に約2兆2000億円だった。発電量で割ると、原子力はキロワット時あたり7.42円、再エネは6.17円。事業者コストに上乗せされるべき公的コストは2002年度当時から原発の方が高かった。さらに今後もコストがかかる。使用済み核燃料を処理する費用だ。

2004年1月に電事連が、政府の総合資源エネルギー調査会電気事業分科会コスト等検討小委員会で出した資料では、コストは「約18.8兆円」。使用済み核燃料の輸送、中間貯蔵、再処理、MOX燃料への加工、ウラン濃縮工場の廃止費用など、核燃料サイクルにかかる総費用が、約18兆8000億円になるとの試算を発表した。

そのコストは本来、電力会社が払うべきものだ。原発を稼働させれば、高レベル放射性廃棄物が出る。年月が経てば徐々に放射能レベルは低下してゆくが、天然ウラン鉱石並みの放射線量に落ち着くまで10万年かかる。原発を持つ各国が抱える重い問題だ。

唯一進んでいたフィンランドでは地中深く埋めるオンカロがようやく動き出そうとしているが、日本は地震大国で、10万年動かない地層はないといわれている。これが「トイレなきマンション」と言われるもので、原発の最大の問題の一つとされている。

10万年も強力な放射性物質を出し続ける廃棄物を、どうするのか。いまはほとんどが各原発上部のプールにはいっているが、これも電気と水が止まったら冷やせなくなり、メルトダウンする恐れがある。

日本政府は使用済み核燃料をすべて再処理し、新たに燃料とする「核燃料サイクル」を進めるとしている。しかし、青森県六ヶ所村に建設中の工場は完成延期を27回繰り返しても、依然として完成していない。未完のまま総事業費は増加し続け、15兆6200億円にものぼっている(2025年6月23日公表)。

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