「母が娘とペンライトを振る」「悲鳴にも似た歓声」…2.5次元アイドルグループ《すとぷり》が東京ドームで生んだ"熱狂の正体"

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何より、楽曲を知らない観客でも楽しめる。理由は単純です。演出が徹底的にわかりやすいからです。盛り上がるポイント、感動させるポイント、笑わせるポイントが丁寧に設計されているのです。

いわば王道アレンジの妙。メロディーラインは親しみやすく、ペンライトを振り続けられるリズムが続きます。

つまり、これは「ファンのためだけの閉じた空間」ではありません。初見でも自然に入り込める構造を持っている。まるで、チャンネルを合わせれば途中からでも楽しめるテレビ番組のようでした。

すとぷり
すとぷりの6人。ファンサで東京ドームは歓声に包まれました(写真:STPR)

全体を通して感じたのは、「昭和・平成テレビの文法」が、令和型にアップデートされているということです。

挨拶で始まり、挨拶で終わり、最後は一人ひとりが「ありがとう」と伝え、「ここが帰ってくる場所」と語る。昭和・平成のアイドルが積み重ねてきた王道の文法が、そこに息づいていました。

東京ドーム周辺が“すとふぇす”仕様に

ライブは会場の中だけで完結していませんでした。ドームシティ内のイルミネーションは“すとふぇす”仕様になり、場外からフェス感を演出する徹底ぶり。期間限定でオリジナル苺の直売所まで登場し、飲食チェーンとのコラボも展開されていました。

東京ドーム
2日間で約8万人を動員したようです(写真:筆者撮影)

さらに、イベント仕様のアドトラックが東京ドーム周辺を走行。目の前を通り過ぎた瞬間、ファンが一斉にスマートフォンを向ける光景が広がります。まだ日が落ちきらないうちから、推しカラーのグッズを身につけた若い女性たちが集まっていました。

トラック
イベント仕様のアドトラックが東京ドーム周辺を走行していました(写真:筆者撮影)

ライブは、もはやステージを楽しむだけの体験ではありません。会場の外まで“すとふぇす”というIPが広がっていく。そんな印象を受けました。

“すとぷり現象”は、単なる若者カルチャーではありません。令和の日本に広がる「応援のかたち」のひとつなのかもしれません。

【写真10枚をもう一度見る】2日間で約8万人が熱狂!「すとぷり」や「すにすて」など5組の“華やかなライブシーン”
長谷川 朋子 コラムニスト

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はせがわ ともこ / Tomoko Hasegawa

メディア/テレビ業界ジャーナリスト。国内外のドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。最も得意とする分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツ見本市MIP現地取材を約10年にわたって重ね、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティとして活動。業界で権威ある「ATP賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、業界セミナー講師、札幌市による行政支援プロジェクトのファシリテーターなども務める。著書は「Netflix戦略と流儀」(中公新書ラクレ)。

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