『呪術廻戦』が示す新時代!「能力の起源」の描き方から見る令和のエンタメがたどり着いた境地

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ゲーム『イナズマイレブン』は、その代表例と言えるでしょう。サッカーという現実のスポーツを題材にしながら、選手たちがボールを蹴ると炎が出たり、巨大な竜巻が発生したりします。しかし、なぜそのような現象が起こるのか、その物理的・科学的な原理については一切説明されません。

見ている側は「この世界ではサッカーとはそういうものなのだ」と理解し、そのダイナミックな演出を楽しむことになります。

漫画『忍者と極道』では、「ヘルズクーポン」という麻薬によって人間の身体機能が大幅に向上し、超能力を持つ忍者に対抗できる力を極道が得るという設定があります。この作品もまた、「なぜそれほどまでに効果のある薬物が存在するのか」という疑問に対して、詳細な科学的説明を提供するわけではありません。むしろ、その荒唐無稽とも言える設定を前提として、忍者と極道という異質な存在同士の激しい戦いを描くことに重点が置かれています。

これらの作品に共通するのは、リアリズムを追求するのではなく、エンターテインメント性を優先しているという点です。「なんでそんなことができるんだ?」という疑問よりも、「そんなことができる世界でどんな物語が展開されるのか」という点に焦点が当てられているのです。現実的な作品ではないからこそ、この手法は成立し、むしろその突き抜けた設定が作品の魅力となっています。

ドラマ『SPEC』は「能力」の起源に迫る

2つ目のパターンは、作中世界の中で一定の論理や理由づけを行い、能力の起源を説明するケースです。このタイプの作品では、「なぜこんな能力が人間に与えられたのか」という問いが、物語の重要なテーマや争点になることが多くあります。

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