「母が弟の上履きをネットで販売」「中1の娘を撮影し…」 あれは"性的虐待"だった…子が受けた深い傷の中身

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売買の過程で、購入者からは「発送直前まで履いてほしい」「写真の脚が綺麗だ」というメッセージが届いた。母親はそれを隠すこともなく、娘に伝えたという。

当時抱いた「良くないこと」「気持ち悪さ」の感覚が、明確な「性的搾取」への嫌悪感だったと気づいたのは、ずっと後になってからだった。

母親にはっきりした悪気はなかったのかもしれない。中古の上履きが、どのような層に、どんな目的で買われるのか。そこまで想像が及んでいなかった可能性もある。

だからこそ、手嶋さんは母親を強く責めきれなかった。

「すべての原因は貧しさにある」と自分に言い聞かせ、母親の行為を理解しようと努力した。

しかし、一度植え付けられた「私は親に利用された」「愛されていない」という疑念は消えなかった。母親を信じられなくなるという葛藤が心の中に残り続けた。

取材に答えた女性(写真:本人提供)

撮影場所となった玄関の姿見の前に立つと、今でも強い嫌悪感がフラッシュバックする。対価として得られた約2000円は、おそらくその日の食費に消えた。

「それは虐待だよ」凍りついた心がほどけた瞬間

この体験を、手嶋さんは長年、誰にも打ち明けられずにいた。「もし母親の行為を肯定されたら、両親を信じられなくなる」。そんな恐怖から、父親にも話せなかった。

平成の時代、「ブルセラ」が社会現象になった。女子中高生が自ら制服や下着などを売り、法規制に至った経緯がある。自分がされたことを調べるうち、この言葉にたどりついた。

親に強要され「娘の上履き」として写真を撮られ、売られる。それは、子ども自身が売る以上に深く傷つく体験だった。

高校時代、初めて恋人に打ち明けたときは「冗談でしょ」と一蹴された。母親の行為が常識から外れたものだと、さらに落ち込んだ。

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