「弁護士法違反の前に、『退職代行』ってどうなの?」 「モームリ」社長逮捕で再燃したモヤモヤ…退職代行に人々が抱く"大きな誤解"

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もう1つ最悪なのは、民間の退職代行業者を利用したことで、企業から「非弁行為に該当することを理由に退職を受け付けてもらえない」というケース。

手続きが行われないだけでなく、欠勤扱いにされたあげく、懲戒解雇されるなど、今後のキャリアに悪影響を及ぼすケースもないとは言い切れません。

企業側にも反省・改善すべき点がある

「モームリ」は2022年にサービスをスタートし、4万人以上の退職を確定させたことがホームページで明かされています。

それだけの数をこなしている以上、“通知”だけで終わるような案件ばかりではないでしょう。おのずと“交渉”が必要なケースも増えますし、そこで「弁護士の紹介料で稼ぎたい」という欲が出てしまったのかもしれません。

ただ、あまり大きく報じられていませんでしたが、25年10月には運営会社、社長の自宅、関係する弁護士事務所などが家宅捜索され、事情聴取が進められていました。

ある企業の人事担当者は「いつかこうなると思っていた」と言っていましたが、雇用における信頼関係を壊すようなニュアンスもあるサービスだけに、企業側から否定的な声が上がるのは仕方がないでしょう。

しかし、企業側にも反省・改善すべきところがあることもまた事実。退職代行サービスの利用者が増えたのは個人の問題だけでなく、「企業のガバナンス不全、コミュニケーション不足、募集要項のなし崩しなどにも理由がある」と考えるほうが自然です。

社員に退職代行サービスを使われたことで企業として反省・改善すべき点はないか。組織の再編や相談窓口の設置をすべきではないか。これらを考えるきっかけにしていきたいところです。

私たちは今回の報道で、退職代行サービスを一歩掘り下げて知る機会を得ました。自分の思ったことを直情的に書き込むのではなく、論点を整理したうえでいくつかの学びを得る人が増えたら、少しずつ生きやすい世の中になっていくのではないでしょうか。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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