「弁護士法違反の前に、『退職代行』ってどうなの?」 「モームリ」社長逮捕で再燃したモヤモヤ…退職代行に人々が抱く"大きな誤解"

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今回の論点は、法律違反に対する是非と「そもそも退職代行は社会通念上どうなのか」の2点であり、これが混在していることで本質がわかりづらくなっています。この2点を分けて考えることが、退職代行サービスを理解し、モヤモヤを解消する前提と言っていいでしょう。

まず前者の法律違反に対する議論には、民間の退職代行業者への誤解がうかがえます。

ネット上のコメントを見ていると、「民間の退職代行業者ができるのは退職意思の連絡だけで、交渉はできない」ことを理解していない人の多さに気づかされました。交渉が法的に認められているのは弁護士と労働組合のみ。

実際に「モームリ」のホームページを見ても、「退職代行は退職の意思を本人に代わり会社に伝えるサービスです」と書かれています。

しかし、それに続く文章が落とし穴。「退職に『交渉』は一切必要ありません。退職意思の通知で問題なく退職は確定すると法律で定められています」と書かれていますが、必ずしもそうとは言い切れないでしょう。

たとえば、年次有給休暇の消化、残業代などの未払い賃金、退職金、ハラスメントなどの損害賠償請求における交渉はどうするのか。さらに職場が「退職代行業者からの通知は受け付けない」「何らかの反論をしてきた」などの際も交渉はできません。

「正社員の退職代行に2万2000円」は妥当なのか

また、「モームリ」のホームページトップには「正社員の方 22,000円」と書かれていますが、その金額で可能なのは、やはり退職意思の連絡だけ。この価格設定を「安い」と思うか「高い」と思うかは人それぞれですが、弁護士や労働組合に依頼するよりも安いのは間違いないでしょう。

モームリ
「モームリ」のトップページに掲載されたサービスの価格(画像:「モームリ」公式サイトより)

しかし、「安いぶん、交渉ができない」というサービスにこの金額は妥当なのか。そのビジネスモデルを知っておくことが利用する際の前提になります。

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