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「弁護士法違反の前に、『退職代行』ってどうなの?」 「モームリ」社長逮捕で再燃したモヤモヤ…退職代行に人々が抱く"大きな誤解"

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  • 木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
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次に後者の、退職代行は社会通念上どうなのかという点。

真っ先に書いておかなければいけないのは、退職代行サービスにはセーフティーネットとしての意味合いがあること。

ハラスメント被害、適応障害、安全配慮義務違反などの重大事には頼れる場所が必要であり、「楽をする」「気まずさを避ける」ためではなく、「命と健康を守る」ための必要性を感じさせられます。

一方、重大な理由がないのに退職代行を使って「いきなり辞める」「二度と行かない」という選択は、勤務先や取引先で働く人々にネガティブな印象を与えてしまうでしょう。「人としてどうなのか」「常識がない」などと思われたとしても不思議ではありません。

弁護士や労働組合に依頼するよりも安く、弁護士も紹介できるとアピールしていた(画像:「モームリ」公式サイトより)

退職代行を利用したデータが残る

しかし、それ以上に忘れてはならないのは、「退職代行を利用した」というデータが残ってしまうこと。

企業側も早期退職を避けるために「退職代行を使った人はできれば避けたい」のが本音であり、雇用前の調査を依頼するケースが増えているそうです。とりわけ実際に退職代行サービスを使われて苦労させられた企業はリスクを回避したがるでしょう。

また、「モームリ」の運営会社アルバトロスは転職支援サービスとして「退職代行を利用された企業データの無償開示」と掲げています。

これは企業のデータをアピールしていますが、裏を返せば個人のデータも扱われかねないリスクがあるということ。少なくとも現時点では100%信用することはできず、「今後の就職活動で不利になるのではないか」という疑念を完全に拭うことは難しいでしょう。

「転職支援サービス」として掲げる「退職代行を利用された企業データの無償開示」。これは裏を返せば、自分のデータも利用されるリスクがあるということだが……(画像:「モームリ」公式サイトより)

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【今後のキャリアに悪影響を及ぼす危険性】

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