《名もなき仕事》引き受ける勤続20年のベテラン女性社員が退職…"完璧な引継ぎ"でひと安心のはずが現場が大混乱に陥った必然の理由

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実際に、ベテランのキャリアを資産化できている企業では、次のような役割設計が行われています。

経験を資産に変える、具体的な役割設計の例(表:筆者作成)
経験を資産に変える、具体的な役割設計の例(表:筆者作成)

これらに共通しているのは、年齢や体力の制限を「衰え」と捉えるのではなく、「役割をステージアップさせる合図」と捉えている点です。

経営者、管理職、人事担当者が押さえるべき「終着点」

ベテラン社員を長く活かし続けるために最も重要な問いは、

「この人がいなくなった後、何が残るのか?」という一点です。

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この問いは、経営者や人事だけが考えるものではありません。ベテラン本人とも早い段階から、「どの経験が重要で、それをどう次世代に引き継ぐのか」をすり合わせていく必要があります。自分たちが担ってきた判断基準や仕事のプロセスを、「個人のこだわり」から「組織の資産」へと昇華させる。その役割と成果を明確に定義し、合意することが不可欠です。

これができなければ、シニア活用は単なる延命雇用で終わり、企業の持続的成長にはつながりません。「この人がいてくれて良かった」という過去の感謝で終わらせるのか。

「この人がいたから、今の強い組織がある」という未来の土台にするのか。

ベテランの知恵を、会社の資産へと書き換える。それは先人へのリスペクトを、感謝ではなく「未来に残る形」に変える営みです。その一歩を踏み出した企業こそが、人手不足という激動の時代においても、成長し続けることができるはずです。

安東 邦彦 株式会社ブレインマークス代表取締役

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あんどう くにひこ / Kunihiko Ando

1970年大阪府生まれ。ITベンチャーの取締役を経て、2001年に中小企業向けのマーケティング支援を行う株式会社ブレインマークスを設立。
売上は伸びたものの、行き着いた先は、社長の孤立、賃上げ交渉、ギスギスした職場。何とか良い組織にしたいと試行錯誤を繰り返すが、組織構築と崩壊を繰り返す。ついには社員ストライキにより、社員が次々と退職。

その後、世界的コンサルタント、マイケルE.ガーバーと出会う。渡米して、「社長依存型の組織を脱却し、自走する組織をつくる」方法を学び、実践した結果、組織が生まれ変わる。

現在は、その経験と米国メソッドをもとに社員30人以下の中小・ベンチャー企業に『社長が不在でも事業を拡大する仕組みづくり』を支援し続け、現在までに個別での支援した企業は約200社、主催する経営塾の卒業生は1000社を超える。中小・ベンチャー企業の事業拡大に特化した実践的な講演で、経営者団体、金融機関、保険会社などからの講演依頼は年間50回を超え。

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