邦画アニメのメガヒット連発は"単なる偶然"ではない! 興行収入「史上最高2744億円」の日本映画市場で進行する《劇的すぎる主役交代》の深層
25年の映画興行ではもう1つ、SNSの影響が強まったことも大きい。『国宝』は公開時さほど注目されていなかったのに、SNSで「すごい!」「泣いた!」などのコメントとともにポスター画像を投稿する人が大勢いた。私もそうだが、端的なコメントと美しいビジュアルに動かされ、たくさんの人が映画館に押し寄せた。
一方、『宝島』は公開時にSNSでネガティブな投稿と、それに対する監督の子どもじみたリプライが響き合い、印象を悪くした。『果てしなきスカーレット』は宣伝からこれまでの細田守監督作品とかけ離れた印象を感じ取ったファンたちがネガティブな投稿を拡散し、公開当初の上映館がスカスカになっていた。
今のSNSは、少し拡散されるとアルゴリズムで「おすすめ」に押し出され、あっという間に話題が広がる。ポジであれネガであれ、強い投稿の影響が大きい。それを見越したプロモーションが必要なのだろう。
実写邦画が『国宝』から学ぶべき視点
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は、日本だけでなく海外でもヒットし、全世界での興収が1000億円を超えた。ハリウッド大作でしかできなかったことを成し遂げた。これを機に、日本のアニメ作品が続々世界でヒットする時代が来るのかもしれない。
日本で起きた国内作品によるハリウッド映画の駆逐は、今後ほかの国々でも起きる可能性がある。アジア圏ではすでに起きつつあるし、ヨーロッパでもその予兆はあるようだ。
そもそも、これまで特定の国の映画だけが世界中でヒットしていたことがおかしいのかもしれない。ドナルド・トランプ大統領が西半球しか眼中にないというなら、それでいいのだろう。
1つ気になるのは、日本の実写作品だ。アニメの躍進に比べて物足りない。ただ、『国宝』が示唆することがある。脚本に2年を費やし、役者たちの歌舞伎の練習に1年半かけている。予算も通常の日本映画より明らかにかかっている。
実写作品も、手間暇と予算をかければ質の高い映画が作れるし、その圧倒的なクオリティーが観客を魅了する。実写作品は次から次に製作されているが、企画を絞り、時間をかける方向転換が必要ではないか。アニメに負けずに、実写の日本映画にも頑張ってもらいたい。


















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