邦画アニメのメガヒット連発は"単なる偶然"ではない! 興行収入「史上最高2744億円」の日本映画市場で進行する《劇的すぎる主役交代》の深層
25年はストの影響も終息し、ハリウッド作品が続々公開され、『ワン・バトル・アフター・アナザー』や『罪人たち』のように世界中でヒットする作品も出てきた。この2作はアカデミー賞を争うといわれている。だが、日本では興収10億円以上の作品リストに名がない。
これらの作品に飛びついたはずのハリウッド映画ファンは、配信に来るのを待っているのかもしれない。そもそも映画館に行かなくなって予告編を見なくなり、存在さえ知らなかった人も多いだろう。日本の観客とハリウッド映画の関係がすっかり変わってしまった。
一方、アニメ作品は長らく国内の映画興行市場を支えてきたが、「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」といった必ず公開される定番作品が軸で、「ポケモン」「妖怪ウォッチ」もある時期までは定番化していた。そこに何年かに一度、ジブリ作品が大きなヒットになる、という構図が続いた。
16年に『君の名は。』が興収250.3億円のメガヒットになり、新海誠監督作品が新たな潮流を切り開いた。それまでのアニメ作品がファミリー向けベースだったのに対し、若者を中心に話題が広がったことが新しかった。
これを皮切りに、ファミリー向けの枠から脱却するようなアニメ作品がヒットする傾向が生まれた。その最たる存在が「鬼滅の刃」だろう。
映画も政治も若い世代が中心に
広い層が楽しむようになった邦画アニメだが、中心は40代以下。私のようなテレビの「洋画劇場」で育ったハリウッド映画ファンは50代までで、邦画アニメを見るのはその下の世代だ。
テレビの「洋画劇場」は1990年代後半から2000年代にほとんどなくなった。日本テレビの「金曜ロードショー」もファミリー向け映画が中心で、ジブリ作品を定期的に放送してきた。
40代以下の世代はハリウッド映画よりアニメ中心で育った。00年代以降、テレビ局は深夜枠に子ども向けではない、多様なアニメを放送するようになった。録画機も発達し、深夜アニメを録りためて見られる時代だ。ディープなアニメファンが育ち、広がっていった。
20年前は少数派だったこの層が膨らんで、20年代に映画館のメイン顧客になったのではないか。それは、選挙で新しい政党が若い世代を巻き込んで伸びているのと似ている。世の中全体も、映画興行も、動かすのは若い世代になったのだ。


















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