トライアルのお惣菜は、採用されて終わりではない。
「職人が作る味を、どう再現するかが課題なんです」
北川社長は慎重に語る。
職人の手仕事には、どうしても属人的なブレが生じる。全国の店舗で同じ味を届けるには、再現性が必要だ。
そのために専門家やメーカーの知見を取り入れながら製造工程の整備、専用機械の導入など設備投資を行うことで工業化し、店舗ごとの品質のばらつきを抑え、安定した「シズル感」を提供している。「おいしさの再現」のために、さまざまな工夫を重ねているのだ。
「職人品質を全国展開」する。
一見、相反しそうなこのふたつを両立させているところに、トライアルの惣菜の強さがあるのだと感じた。
安くておいしいを両立する「全体最適」
「職人品質を全国展開」と同じように、「安くて、おいしい」の両立も難しそうに感じる。
一般的に、このふたつはトレードオフだと思われている。安いものは、安いなりの味。おいしさを求めれば値段が上がる。しかしトライアルは、このトレードオフを超えようとしている。
「原材料を削ったり、質を落としたりはしません。あくまでも『おいしい』が軸なんです」
北川社長は言い切る。
では、どうやって両立しているのか? 答えは「全体最適」だった。商品開発の職人、原材料を調達するバイヤー、製造を担う工場、さらにメーカーや商社まで――。部門や会社の壁を越えたチームで工程全体を見直し、「おいしい」を軸に無駄を削ぎ落としていく。
原材料の仕入れにも、そのこだわりは表れている。
北川社長によれば、産地やブランドにこだわることもあるが、最優先するのは「狙った味を長期的に再現できるかどうか」だという。
特定の産地に固執するよりも、長期的な取引や数量を前提とした調達を行うことで、品質と価格のバランスを取りながら、全国の店舗で「おいしさの再現」を実現している。


















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