多くのスーパーは、入り口から野菜、鮮魚、精肉と続き、惣菜コーナーは一番奥にあることが多い。しかし私が通うトライアルでは、入り口を入ってすぐに惣菜売り場がある。昼ごはんを買いによく通う私には、この動線がありがたい。そこには、単に利便性以上の思いが込められていた。
「商品をよくするだけではなく、惣菜を店の入り口近くに配置し、お客様に見ていただくことで、トライアルの取り組みを伝えることにもつながっていると思います」と北川社長。
「安モノ」ではなく、「食に力を入れている店」だと感じてもらう。入り口の動線設計には、その意図が込められていた。(※ただし、一部店舗は入り口付近が惣菜売場でないこともあります)
「食」のプロ集団が生み出すお惣菜
ロースかつ重のように「来店のスイッチ」となる商品は、どのようにして生まれるのか。
惣菜の商品開発から製造までを担うのが「こはく本舗」だ。料理の専門家や職人が約50人いるという。「食」のプロが50人も集まるスーパーの惣菜部門と聞けば、それだけでも、「食」に力を入れていることがわかる。
さらに驚いたのは、売り場に並ぶ商品の選抜方法だ。
年間で約1600ものレシピが考案され、実際に店頭に並ぶのは約1割だという。毎週開かれる会議で、採用するメニューが決まる。
最終的に太鼓判を押すのは、こはく本舗の創業者であり会長を務める大塚長務氏。辻調理師専門学校を卒業後、一流レストランや星付き料亭を巡ってきた人物だ。その目と舌を通過したものだけが、トライアルの店頭に並ぶ。299円の惣菜の裏には、職人たちの試行錯誤があった。


















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