手元資金の潤沢なゼネコンがM&Aへ舵を切るのは、深刻な人手不足という看過できない問題もあるからだ。
建設業界の就業者数は1997年をピークに減少が続き、24年には477万人と、ピーク比で31%も減った(日本建設業連合会)。建設業正社員の労働者過不足判断DI(「不足」と答えた企業の割合から「過剰」と答えた割合を引いた値)は63ポイントと、全産業平均の49ポイントを大きく上回り、不足感が深刻だ(25年11月の厚生労働省「労働経済動向調査」)。
人手不足は労務費の上昇を招き、建設費高騰の主因となる。その歪みの影響は大型プロジェクトにも及び始めた。

「生存戦略」としての再編
中野サンプラザ跡地の再開発や新宿駅西南口地区開発(南街区)といった東京都心の象徴的な案件だけではない。JR九州が福岡で進めていた博多駅空中都市プロジェクトが計画中止に追い込まれるなど、開発停滞の波は全国へ波及している。
今後の建設業界の再編は、単なる売り上げの拡大を目指すのではなく、人手不足を補完し、施工能力を維持・確保するための「生存戦略」としての側面がさらに強まるだろう。

















