M&Aが活発化する背景には、コロナ禍前後で乱高下したゼネコン各社の業績の変化がある。人手不足、建設費高騰、時間外労働の縮小、そしてアクティビスト(物言う株主)の圧力という「4重苦」に襲われたためだ。価格と工期のダンピング(安値と短工期)も相次いだ。再開発や工場建設など需要は豊富だが、失注を恐れるゼネコンがダンピングを繰り返した結果、建設業界は苦境に追い込まれた。

受注体質改善に本腰
「豊作貧乏」が続けば経営体力が持たない──。危機感を募らせたゼネコンは受注姿勢の転換に踏み出した。いち早く採算重視の受注を打ち出したのは、業界最大手の鹿島だ。鹿島の天野裕正社長は23年12月の時点で、「われわれの工期の提案を理解していただけなければ、受注できなくてもやむなしとする事例も出てきている」と語っていた。
その後、業界全体が採算の合わない案件の回避を徹底。好業績は外部環境の追い風によるものではなく、焦燥に駆られたゼネコンが長年の課題であった受注体質改善に本腰を入れた結果といえる。


















