卸の目利きが厳選した青果が、市場のすぐそばで買えるとあって、またたく間に評判となった。今では同じような店が増えてきているという。
「巣鴨はね、大都市東京のなかにあるんだけど、どことなく田舎っぽい街なんですよ。だけど、地下鉄もJRもあるから、交通の便は最高。白山通り沿いにはビルもあるけど、ここら一帯は霊園とお寺と市場だから、空が広いでしょ。
あとね、お寺とか市場のあるところって、たぶん地盤がいいんですよ。東日本大震災のとき、そりゃ揺れはしたけど、大きな被害はありませんでした。住むにはいいところですよ」(岡本さん)
観光地化していく日本の商店街たち
再び、地蔵通商店街に戻る。前出、千葉さんの話では、ここにも時代の波が押し寄せているという。どこの商店街にも言えることだが、その街ならではの店が減って、どこにでもあるようなチェーン店が増えている。
「地蔵通りも店の入れ替わりは激しいですね。ここ10年くらいでもかなり変わりましたよ」(千葉さん)
それでも、私の印象では、この商店街はその地域に住む人のための商店街でもある。実はこれ、わりと珍しいパターンだ。巣鴨は、とげぬき地蔵のお陰で、観光地として認識されている。観光地の商店街は外からきた客用に進化する傾向が強い。代表例が東京・浅草の「仲見世商店街」だ。あそこで日用品の購入は難しい。
さらに最近では東京の下町情緒がたのしめると人気の、「谷根千(谷中・根津・千駄木、3地区の総称)」が思い浮かぶ。この地にある「谷中銀座商店街」も、ここ数年、観光側に振り切っているように見える。2年前には商店街の中にあったスーパーが撤退し、日用品の買い物が難しくなった。
巣鴨の商店街は観光地でありながら、同時に地元民のための店も相当数ある。ただし、千葉さんの言う通り、街の姿は変わっているようだ。
この地で30年以上の歴史を持つ不動産業者「テセフ株式会社(豊島区西巣鴨2-32-7)」代表の小池武次さんに話を聞いた。


















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