たとえば、国語について心配した親御さんが、子どもに本を与え、「これを読みなさい」と言って強制した結果、ますます国語が嫌いになり、その後、活字に対して非常に強い抵抗を示しほかの教科にまで悪影響を与えた、という残念なケースもありました。
読書以前に必要なのは「調べ習慣」!
「国語力を高めるために読む」「読解力向上のために読む」「読書感想文を書くために読む」――これらはいずれも必ずしも思った結果が出ると言えないことは、おわかりだと思います。しかし、それでも読書には非常に高い効用があるため、読書習慣のある子どもになってもらいたいという希望を捨てることはできません。そこで、これまで私が保護者の方々へ話し、高い成果が出たと思われるひとつの方法についてお話しましょう。
それは「読書習慣の前に、まずは『調べ習慣』をつける」ことなのです。
文章に興味のない子にとって、面倒くさい読書はハードルが高いのです。そこで、「調べ習慣」を先につけさせます。
わからないことがあったら、調べる癖をつけるのです(小さいときからのほうが効果的ですが、子どもが中学生、高校生でも可能です)。
決して親が手とり足とりやってはいけません。自分でやらせて、その後に、(軽い感じで)「どういうことなのか、お母さんわからないから、教えてちょうだい」と言って、子どもに説明させる方法です(親が知っていても、あえて知らないふりをするのもいいでしょう。また、子どもが小さくて自分で調べられないときは、一緒に調べていきます)。
多くの場合、子どもは喜々としてやります。その後、子どもは調べもの好きになり、探究心が芽生え、やがて自分の興味関心以外の対象に対しても、影響の輪を広げていくようになっていきます。
現代社会では、情報はインターネットで簡単に手に入ります。しかも画像や動画もすぐに調べられますね。ですから一昔前のように紙の辞書や百科事典で調べたり、図書館へ行ったりする必要もなく、その場で瞬間的に調べることができます。それを利用するのです。
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