「塾に通わせておけばいい」は間違い!「50万円の合宿」に課金する富裕層と、赤字で消える街の塾。塾の倒産が過去最多の令和に知るべき受験事情

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この合宿の費用は、交通費・宿泊費・食費込みで約50万円前後との報道もあります。このように、短期集中、高密度な学びを売りにした戦略は、従来の夏期講習スタイルとは明確に異なります。

とはいえ、こうした強烈な戦略には批判やリスクもつきまといます。週刊文春の報道によれば、22泊23日合宿の舞台裏で、教室運営に関する内部負荷や労務問題、大量退職などが指摘されています。要するに、運営側も生き残りに必死で、かなり無理をしてこの取り組みを成立させたのだと考えられます。

このように、強化型・集中型戦略は、成果とリスクの両立を問われる時代において、生き残る塾と淘汰される塾を分ける試金石になっているとも言えるでしょう。

公立高校で進む定員割れと私立人気

塾だけでなく、高校も大きな転換期を迎えています。2024年から始まった「高校授業料無償化」の拡充は、私立高校の追い風となりました。結果として、公立高校の人気が急落しています。

例えば、2025年度の大阪府全日制128校の平均倍率は1.02倍で、過去最低を更新しました。名門校である寝屋川高校は0.94倍、八尾高校は0.99倍、鳳高校に至っては定員を削減したにもかかわらず0.94倍。

これらは偏差値65~70の進学校であり、本来なら倍率が高くて当然の学校です。全日制128校のうち65校が1倍を下回り、定員割れが相次いでいます。

一方で、特定の高校では高倍率を維持している例もあります。2025年度入試では、北野高校1.27倍、天王寺高校1.21倍、三国丘高校1.31倍といった倍率が確定しており、難関大学への進学実績で人気が高まる文理学科を設けている各校への集中が見られます。

こうした現象の背景には、教育の"選択肢の多様化"があります。私立高校は近年、ICT教育、探究学習、部活動や国際交流・英語教育など、多彩な特色を打ち出しています。

対して公立高校は制度的な制約が多く、カリキュラムや設備面で柔軟性を持ちにくいという指摘があります。授業料差が縮まると、こうした"付加価値"の差が強調されやすくなります。

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