がん、認知症、骨粗鬆症に「漢方」が発揮する意外な実力。つらい副作用や進行の不安を和らげ"予防"に貢献、記憶力改善に期待も

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

加味帰脾湯(かみきひとう)は血液成分の中で血小板に作用し、がん治療のための抗がん剤で血小板が減少するのを抑えてくれます。食欲がない場合、六君子湯(りつくんしとう)はグレリンという食欲増進ホルモンを増やし、食べられなくなった方でも食事を摂れるようになります。

また加味帰脾湯は、がんの再発や転移への恐れから抑うつ状態になった患者さんの心を支えてくれます。さらに大きな手術の後、食欲が戻らない方は、大建中湯(だいけんちゅうとう)でお腹の動きを改善します。

このように漢方薬は、西洋医学とのコンビネーションで患者さんの治療生活をより快適にし、回復へとつなげていけるのです。

記憶力の衰えにブレーキをかける

認知症とは、脳の神経細胞が徐々に減少し、記憶力や判断力などの認知機能が低下する病気です。特に前頭葉が萎縮すると、その人の人格や思考を司る機能が失われ、理性が利かなくなってしまいます。

漢方では、認知機能の低下は脳への血流不足(血虚)が大きく関係していると考えています。ですから、漢方薬で血虚や瘀血を改善することは、認知症予防につながることが期待できます。

特に、近年注目されているのが、「遠志(おんじ)」という生薬が持つ記憶力の改善効果と、精神を落ち着かせる作用です。これは、加味帰脾湯に含まれる生薬ですが、他にも、帰脾湯、人参養栄湯(にんじんようえいとう)に含まれています。

「最近、人の名前を忘れてしまう」「物覚えが悪くなった」といった症状に効果が期待される遠志への注目度は高く、現在、各製薬会社がこの生薬単体でさまざまな商品を発売しています。

次ページ漢方が体の回復力を高めて治療効果を底上げする
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事