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ライフ #廃墟モールの経済学

「昼間なのに人とすれ違わない」「天井に蜘蛛の巣、落書きも散見」…かつての商都で閑散、改善策も実らなかった「茨城の廃墟モール」苦難の歴史

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  • 坪川 うた ショッピングセンター研究家・ライター
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「モール505」に隣接していた「西友」と「小網屋」もそれぞれ1998年、1999年に閉店したことで、「モール505」の客足はさらに減ってしまった。

2000年には、市が検討している再開発へ「モール505」の用地を提供する代わりに再開発ビルにテナントとして入居したいと求めたが、その再開発も翌年中止になってしまった。これほど苦難が続くものかと思わされる。それでも、空き区画を高齢者向けのデイサービスやSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)に改修し、活気を保とうとしていた。

追い打ちをかけたTXと郊外大型店

追い打ちをかけたのが、2005年に開通したつくばエクスプレス(TX)である。財務省の『路線価でひもとく街の歴史』によると、つくばエクスプレスが開業した2005年に、土浦税務署管内の最高路線価が土浦市からつくば市に移っている。

さらにその後、つくば市のロードサイドに続々と大型商業施設が開発された。2008年に「イーアスつくば」、2013年に「イオンモールつくば」「コストコつくば倉庫店」がオープン。土浦市にも、2009年に「イオンモール土浦」がオープンした。

つくば市の「イーアスつくば」(筆者撮影)

「イオンモール土浦」や、土浦駅から車で10分弱の商業施設「土浦ピアタウン」には買い物客が集まり、ロードサイドには比較的新しそうなケーズデンキやヨークベニマル、スターバックスなどが並んでいる。車の普及に伴い大きな駐車場を備えたロードサイドが発展し、人の集まる場所が駅前からロードサイドに変わっていったのである。

土浦市のロードサイドにある「イオンモール土浦」(筆者撮影)
土浦市のロードサイドにある「土浦ピアタウン」(筆者撮影)

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【廃墟モールが誕生する要因】

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