アコーディア新社長に直撃!委任状争奪戦の勝算 PGMとの統合、太平洋クラブの支援は

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--株主委員会側の新役員候補者リストからは、秋本氏のほか、執行役員の野中氏など3人が抜けたために、業務に精通した社内取締役候補がいなくなった。そこで、株主委員会側では、指名委員会の指名した社内取締役候補のうち、新野孝氏(現・常務執行役員)、服部文雄氏(同)の2名については容認すると言っている。これについてはどうか。

それは先方の主張だから。株主委員会は株主委員会なりのお考えで言われたのだろう。ただ、私はゴルフ場のオペレーション、経営に携わって40年。服部、新野にしても40年の経験がある。ゴルフ場のいちばんの命、商品はコースといえるが、特に新野はコース関係の責任者をやっている。コースの価値を高めていくという観点と、さらにオペレーションを強くしていく。そういう意味で、指名委員会が指名した社内役員候補4人は、私も含めて、アコーディアの事業価値をさらに高めていけると確信している。

--役員候補をめぐる問題以外にも、株主委員会は懸念事項として3点を指摘している。まず、コンプライアンス問題については、取締役会が設置した特別コンプライアンス委員会による調査は行われたものの、株主委員会側が主張する第三者委員会による調査は行われなかった。それで本当に疑惑が晴れるのか、という指摘についてはどうか。

今回の特別コンプライアンス委員会による調査報告については厳粛に受け止めている。何よりも今後、二度とこのようなコンプライアンス上の問題を発生させないために、再発防止策も発表している。実際問題として今回、特別コンプライアンス委員会の調査報告については社外取締役が独立性を持って、非常に公平に、いろいろな方のヒアリングを行い、調査した結果だと考えている。

--株主委員会の説明会では、彼らの社外取締役候補者の一人が、通常こういう調査をする場合は調査範囲を限定せず、とにかくすべてを調べて、そのうえで何もないときに初めて何もなかったといえる、と強調していた。今回、特別コンプライアンス委員会の調査は経費の使い方に焦点を絞っている。それでも十分、調査はしたと認識しているか。

今回は、竹生氏、秋本君を含め、現在の取締役である私、そして鈴木隆文氏という社内取締役4人について、徹底的に調査がされている。経費の一通りについても、非常に膨大な資料の中からキッチリ調査しているので、まったく問題ないと思っている。

--2点目は、現在、アコーディアがスポンサーに名乗りを上げている太平洋クラブ(1月23日に民事再生手続きを申し立てたゴルフ場経営の名門)の問題だ。太平洋クラブへの支援は「不採算投資」だと株主委員会が指摘しているが、これについてはどうか。

太平洋クラブの支援については、(入札価格について)外部でいろいろな金額が出ているが、私の立場では先方との守秘義務があるので金額は申し上げられない。ただ、定性的な話については少し申し上げたい。アコーディアでは「低価格で、楽しいゴルフ」ということを標榜してここ9年やってきた。これはゴルファーの裾野を広げるという形で、ゴルフ界に対してたいへん貢献できた部分はある。ただ、これから10~20年先を考えると、今の路線でなく、「ブランドの階層化」、極端に言えば「二極化」が必要だろう。

 

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