アコーディア新社長に直撃!委任状争奪戦の勝算 PGMとの統合、太平洋クラブの支援は
6月28日の株主総会に向けて、ついに大株主とのプロクシーファイト(委任状争奪戦)に突入したアコーディア・ゴルフ。最初のきっかけとなったのは、竹生道巨(ちくぶ・みちひろ)前社長のコンプライアンス問題発覚(4月中旬)で、その後、最大のライバルであるPGMホールディングスとの経営統合観測が浮上。さらに大株主オリンピア(アコーディア発行済み株式の1.8%保有。PGMと同じく平和〈パチンコ・パチスロ大手〉の子会社)が「株主委員会」を結成して経営陣との対立を鮮明にしたことで、アコーディアの経営体制の先行きが見えにくくなっている。
4月26日には「株主委員会」が株主総会に向けての新役員候補を提案。アコーディア経営陣側はこれに対抗する形で社外取締役による「指名委員会」を作り、5月21日に、株主総会で提案する新役員候補を指名した。ところが、この指名内容公表時に大きなサプライズとなったのが、竹生前社長の新役員候補への指名辞退と、社長退任(5月21日付)だった。
竹生氏の社長退任に伴い、副社長から昇格した鎌田隆介・新社長は、一連の問題をはじめ、大株主=株主委員会との対立をどう乗り切ろうとしているのか。独占インタビューで直撃した。
--竹生前社長は当然、6月の総会に向けての役員候補として指名されるとみられていた。今回、社長を退任したことは大きなサプライズだが、それを知ったのはいつか。
指名委員会の推薦を受けて取締役会が新役員候補を決定したのは5月21日のことだが、竹生氏からは取締役会の前に、指名委員会に対して代表権と社長執行職を返上するとの申し入れがあった。さらに、竹生氏は従前から指名委員会に、次期の取締役は辞退するとの申し入れも行っていた。取締役会では、竹生氏が代表取締役社長を辞任したということで、副社長の私が社長に指名されて就任した。(竹生氏の社長退任を知ったのは)当日になってからだ。
--大株主オリンピアを中心とする株主委員会は、竹生氏が退任後もアコーディアに有給で残留するということについて批判している。新社長就任会見のとき鎌田さんは、指名委員会が役員候補指名に当たって各方面にヒアリングしたところ、機関投資家や金融機関から、竹生氏に残ってほしいという意見があったと話していた。竹生氏の残留はそうした要望を受けてのことか。
(機関投資家や金融機関だけでなく)従業員も含めてということ。従業員にとって、竹生氏への人望は非常に厚いところがある。竹生氏はアコーディアの当初からの代表者として「事業革命」を進めてきた。この9年で一定の成果は出たものの、業界が過渡期の中、これから10年、20年先を見ると、アコーディアが取り組むべき課題はまだたくさんある。そうした延長線上で今までの実績もある竹生氏に、ということだ。具体的な役職については、まだまったく決まっていない。株主総会で(指名委員会側の候補者による)新役員が決まったら、その過半数を占める社外取締役を含めて検討し、決定していきたい。