【浅草ロック座】豪快な祖母と演出狂だった父 踊り子に育てられた3代目が、破産を乗り越えて変えた"劇場の景色"

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破産の危機、そしてコロナ禍。度重なる苦難を乗り越えた今、ロック座には新たな風が吹いている。前述した女性客の増加やインバウンドだ。

「女性客が増えたのは、上原亜衣ちゃんが初めて舞台に乗った16年が境目かもしれません。彼女のように、女性ファンが多い演者さんが出ることで潮目が変わりました。亜衣ちゃんは、2月にロック座最後となる舞台に臨みますが、日本だけでなくアジアでも熱狂的な人気を誇るので、よりインバウンドのお客さんが増えるのではないかと感じています」

浅草ロック座 上原亜衣 
ロック座に新たな息吹を吹き込んだ上原亜衣氏。踊り子人生最後の舞台として2月から28日間連続出演で臨む(撮影:今祥雄)

しかし、齋藤氏はあえてインバウンド向けの調整は行わないと言い切る。

「インバウンドを意識しすぎて見透かされるようなことをすると、それはもう『漫画』になってしまう。あくまで自分たちらしくいることが大切。それが見たくてお客さんは来ているはずですから。

浅草でも、和牛をウリにしている店がいくつかあるんですが、価格も中身も『こういうのが好きなんでしょ』ってかんじが透けて見えるんですね。案の定、ガラガラです。僕らは、本物を作り続けるしかないんです」

プロ意識にあふれる令和の踊り子

かつての踊り子は色恋やアルコールに溺れる危うさもあったが、令和の踊り子たちは「ショーとしての完成度」を追求するプロ意識にあふれていると齋藤氏は語る。

浅草の片隅で、踊り子を愛し、演出を尊び、かつ堅実な経営のハンドルを握る。その「極端な2世代」の血を受け継いだ3代目のバランス感覚こそが、ロック座という唯一無二の文化を守り抜く最後の砦となっている。

→上原亜衣氏へのインタビュー記事に続く

根本 直樹 ライター

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ねもと なおき / Naoki Nemoto

1967年生まれ。立教大学文学部仏文科中退。その後『週刊宝石』記者を経てフリーに。主に暴力団や半グレなどアンダーグラウンド分野の取材・執筆活動を続けている。

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