「苦手な勉強を克服する」と決めた元サッカー少年、「偏差値40からの大学一般入試」挑戦、その結末〜長かった合格発表までの日々を振り返る

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これで準備万端かと思いきや、共通テストを控えた1月、淳さんが突如として日本大学の法学部も受けたいと言いはじめた。日本大学の入試問題とは相性が良く、入試の過去問題集の通称「赤本」を何度もやったが、だいたいいい点が取れる。

そんな日大の中でも法学部は英検などの外部検定が使えない入試だったため、英検2級を持たない自分には有利だと考えたのだ。加えて倍率も他の学部より低かった。

「国語で8割取れれば、英語と世界史5割でも行けるかもしれない!」

過去の合格ラインも調べ、淳さんはトータル7割の得点を目指して挑むことに決めたのだ。

最終的に、5つの大学の複数の学部を出願、出願費用だけでゆうに35万円に届く勢いだった。1回の出願で手堅く合格できる指定校推薦型入試と比べると、かかる費用は雲泥の差だ。

1月中旬、共通テストを終えたが自己採点した結果では受験した大学すべてに届かない。やはり、2月からの入試にかけるしかない。

2月上旬、一日おきに入試があり、スケジュール通りにこなす日々。1つ終えるとすぐに次の受験に備えて頭を切り替える。

今日の出来はどうだったのだろうか……。

でも、そう聞けば、プレッシャーになるかもしれない……

母親は、聞きたい気持ちをぐっとこらえ、本人から話すまでは聞かないように心がけた。

緊張の日々が続く。そんな中、日大の入試では少し手応えを感じていた。入試で出た現代文の内容が面白く、問題もすらすらと解けたのだ。しかし、だからといって他の教科がコケればダメかもしれない。

合格発表までの長く苦しい時間

前半戦の試験を終え、それぞれの大学で合格発表を迎えていたが、1つも合格を手にすることなく2月13日になっていた。

この日は本命、手応えのあった日大法学部と、武蔵野大学の発表日。武蔵野大学は学部統一入試ですでに一度落ちている。武蔵野大学の合格発表は午前10時。ここで不合格となれば、出願した前半戦の受験では、日大法学部の発表を待つのみとなる。

日大の発表は正午だった。

「もし武蔵野大に落ちてたら、正午まで2時間待つのは地獄だよ。12時まで待って、まとめてみたい」という淳さん。その気持ちを優先し、正午まで画面を開くのを待つことにした。

時間はなかなか進まない。いままでの日々を思えば、2時間なんてあっという間だ。だが、この日の2時間は、たまらなく長い。

母親は、普段はやらない家のこまかな掃除を念入りにして心を落ち着かせようとしていた。〝もし全部落ちていたら、今日中に亜細亜大の後期日程に急いで出願しなくてはいけないな……〟それもそれで気がかりだった。

長い待ち時間が終わり、やっと時計の針が正午を指した。

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