試験一発勝負の一般入試での合格が大半という時代から、なんらかの推薦型の入試で合格を手にする子が増えた大学入試。
特に、子どもの頃からスポーツに取り組んできた家庭の場合、スポーツの道から進路を考えていくケースは多い。ところが、大学はスポーツ推薦で入れるところに行ったらいいと考えていた家庭でも、親の思いとは裏腹に思わぬ事態が起きることがある。
スポーツ推薦でいいと思っていたら…
東京の多摩地域に暮らす山本淳さん(仮名・大学生)一家。淳さんは幼い頃からスポーツが得意で社交的、いつも友達と一緒に外で遊ぶ少年だった。
地元のサッカーチームに所属したのは小5と遅かったが、走るのが速かったこともあり、常にスタメン入りする選手へと成長した。さらに、上手な子どもたちを集めて作られる地域選抜チームの選手にも選ばれていった。
サッカーに夢中になる一方で、勉強には全く興味がない様子。学校の宿題はやるものの、母親が勉強系の習い事を勧めても一向に首を縦に振らない。だが母親は、これだけ夢中になることが見つかったのだから、それで十分と考えており、中学も地元公立中への進学を選んだ。
中学では学校の部活動ではなく、セレクションに合格したクラブチームでサッカーに打ち込んだ。平日の夕方は毎日のように練習があり、帰宅は午後10時ごろ。休日も試合が入ることが多く、中学生になってからも学校以外のほとんどをサッカーに献げていた。当然、勉強の方には手が回らない。
もともと勉強に対して苦手意識が強かったこともあり、中学の評定は5段階評価で2と3が半々という状況。だが、両親は勉強に対して小言を言わなかった。「息子はとにかくサッカーを一生懸命にやっていました。勉強はできる方ではなかったけれど、1つでも打ち込めるものがあるならいいじゃないかと思って、ひたすら応援していました」と母親。
〝これだけサッカーが好きならば、高校も大学も、スポーツ推薦で入れるところを探せばいい〟母親は内心、ずっとそう思っていたという。



















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