人類が文字を生み出したのは「会計」のためだった!? とっつきづらいイメージの会計が、実は人間の根源的な営みだという納得の理由
人類は「会計」のために「文字」を生んだ
人類はこれまでさまざまなものを発明して、文明や文化を発展させてきました。
その中でも最大級に重要だった発明のひとつが「文字」です。言葉を記録する文字なしでは、現在のような文明は生まれていません。
では、人類は何をきっかけに文字を生んだのでしょう。なぜ、情報を文字で記録する必要があったのでしょうか。
じつは、文字による記録は、「会計」と同時に生まれたと思われるのです。
文字は、古代メソポタミア南部のシュメール都市文明(紀元前40世紀頃~)と、中国の殷(いん)王朝(紀元前16世紀頃〜紀元前1046年)で生まれたとされます。
より古いのはシュメールの文字で、現在わかっている最古の文字は紀元前3200年頃のウルク古拙(こせつ)文字という絵文字です。
この絵文字の前段階として、直径10センチメートルぐらいの、中が空洞になった粘土製品「ブッラ(ラテン語で〈球〉)」と、直径2センチメートル前後の、小型粘土製品「トークン(英語で〈しるし、代用貨幣〉)」がありました。
穀物や家畜を管理する際に、当初は円錐形や棒状といった、単純な形をした「単純トークン」が使われました。ヒツジ5頭なら円錐形トークン5個、ロバ3頭なら棒状トークン3個、といった案配です。
そのうち時代が進んで扱う生産物の種類が増えてくると、壺のような形、パンのような形など、複雑な形をした「複合トークン」が登場します。
こうしたトークンは取引や契約の証拠にも使いました。
たとえばヒツジ30頭の世話を牧夫に依頼したら、依頼主はヒツジを表すトークン30個を保管して、ヒツジを渡します。世話を頼んだ期間が終わってヒツジが戻ってきたら、トークンの数と同じく30頭のヒツジが戻ってきたのかを確認して、世話賃を支払うというわけです。
しかし、別々の牧夫に依頼していたら、どっちのトークンがどちらのものか、わからなくなりそうです。
それに、依頼主が勝手にトークンを増やして「返してもらったヒツジの数が足りない!」と言い出すこともありえます。


















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